音楽教室をやっていると、
「私、絶対音感があります」
「うちの子は絶対音感があるんです」
という話を聞くことが時々あります。
もちろん一つの能力としては素晴らしいです。
ただ「絶対音感」という言葉には、
少し違和感を持っています。
そもそも「ド」とは何でしょう?
例えばピアノの中央付近のドは約261.6Hzですが、
1オクターブ上のドは約523.3Hzです。
つまり「ド」という名前は、
一つの周波数を指しているわけではありません。
A=440Hzという基準も絶対的な自然法則ではありません。
そう考えると、「絶対」という言葉から想像するほど、
単純なものではないことが分かります。
絶対音感があることと音楽ができることは別です。
ここが私にとって一番大切なところです。
絶対音感があれば「今の音はF#です」
と判断できるかもしれません。
でもそれだけで、
「このF#が今のコードの中でどんな役割をしているのか」
「このフレーズを別のKeyに移調したらどうなるのか」
「このコード進行上でどんなメロディーが成立するのか」
が分かるわけではありません。
これは別の能力です。
音楽には音そのものだけではなく、
音と音の関係があります。
そして私が長年音楽をやってきて、
特に重要だと感じるのはこの「関係」を聴く力です。
私自身は相対音感です。
ある音を基準にして「ここから何度上がった」
「このコードの中ではこの音だ」
というように音を捉えています。
ジャズやポピュラー音楽では、
「このKeyだから、この音」というより、
「このコードに対して、この音がどう機能しているか」
を理解することの方が重要な場面が沢山あります。
世の中の曲が全部Key=Cなら楽かもしれませんが、
でもそうではないですよね。
曲が別のKeyになっても、
コード進行が変わってもメロディーの構造を理解できる。
それこそが音楽を自由に扱うための大切な能力だと思います。
絶対音感を否定したいわけではありません。
むしろそれは一つの興味深い能力だと思っています。
ただ絶対音感がある=音楽的に優れている
ではありません。
速いフレーズを聴き取りコードを理解する。
リズムを感じ音の重なりを聴き分ける。
演奏者同士で瞬時に意思疎通する。
こうした能力には絶対音感とは別の、
たくさんの音楽的能力が関係しています。
「音楽」というもっと大きな世界の中で、
その能力がどの位置にあるのかを考えているだけです。
音楽に必要なのは能力を一つ持っていることではなく、
音を聴き理解し演奏し音楽として使えることです。
絶対音感があるかないか。
音楽の世界はそれほど単純ではありません。
Key=Cだけの世界ではつまらなくないですか(笑)?
——–おまけトーク——-
アジア杯のセパタクロ―を見ました。
面白い競技ですね。
あんなにリフティング出来なかったな~。
スゴ技ですね。
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